あなたならどっち?「内浦」と「外浦」

珠洲のマチ
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半島の先端に位置する珠洲市は三方を海に囲まれており、禄剛崎を境に、富山湾に面した沿岸部を「内浦(うちうら)」、日本海に面した沿岸部を「外浦(そとうら)」と呼んでいます。
移住相談の際、「海のそばに住みたい」というご希望を聞くことが多いのですが、同じ海岸部でも、内浦と外浦では風景や気候がかなり異なります。さあ、あなただったらどちらに住みますか?

波穏やかで生活に便利な「内浦」
「内浦」は穏やかな海となだらかな砂浜が続きます。
平野部が多く、海岸沿いには下見板張りにきらきらとした黒瓦の家が立ち並び、少し内陸に入ると、のどかな田園風景が広がります。

視界のいい日には、海越しに富山県の立山連峰が見えることもあります。地元の漁師さんによると、これが見えると天気が下り坂なんだとか。

市の中心部もこのエリアに含まれており、市役所や図書館などの公共施設、スーパーやコンビニ、ドラッグストアなどの買い物スポット、総合病院や診療所などの医療機関はすべて内浦にあります。飲食店も外浦よりもたくさんあります。
生活に必要な施設やお店は一通りそろっているので、内浦だけで日常生活は完結することができます。

ダイナミックな景色広がる「外浦」
「外浦」は荒々しい岩礁海岸が特徴で、垂水の滝や仁江海岸など景勝地が数多くあります。10地区の中では、日置地区と大谷地区が外浦にあたります。

珠洲を代表する伝統産業である「揚げ浜式製塩」が行われる塩田も外浦ならではの景色ですし、日本海に沈む夕日を見られるのも外浦の住民の特権です。

そんなダイナミックな景色広がる外浦ですが、冬は季節風が強く吹き、冬の風物詩「波の花」が見られるほど荒々しい波が打ち寄せます。強風や波の音、潮風の影響は内浦よりも気になります。ただし、潮の流れがはやい分、魚や海藻は外浦のほうがおいしいとも言われています。

また、能登半島はそれなりに雪の降る地域ですが、外浦では強風で雪が飛ばされるため、ほとんど積雪はありません。内浦では、多いときで膝丈くらいまで積もります。

外浦にもちょっとした食料品や日用品を取り扱う小さな商店はいくつかありますが、大型スーパーやドラッグストア、コンビニはないので、買い物をするには内浦まで出る必要があります。また現在、日置地区・大谷地区に保育所はありません。学校は大谷地区にある大谷小中学校のみで、日置地区の子供たちは、直地区の学校へ通うことになります。

「内浦」から「外浦」までどのくらい?
「内浦」と「外浦」を結ぶルートは大きく分けて3つ、海岸沿いルート(県道大谷狼煙飯田線)と、峠を越えて縦断するルートが2つ(国道249号線・県道折戸飯田線)あります。縦断ルートであれば、反対側の海にでるまで車で20分程度です。車で20分そこらでどちらの海も楽しめるのは、半島の最先端ならではですね。

たかが20分、されど20分。それに、冬季は雪が積もり、凍結することもあります。毎日の移動となると、苦に感じる方もいるかもしれません。
住まいを選ぶ際には、穏やかで生活の便のいい「内浦」エリアにするか、生活には少し不便でも壮大な景色を求めて「外浦」エリアにするか、はたまた内陸部の豊かな里山エリアにするか、職場や生活スタイルに合わせて、よくよく吟味されることをお勧めします。