【開催レポート】第3回すず若者意見交換会Vol.05 テーマ「住まい」2024年11月10日(珠洲市開催)

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すず若者意見交換会
珠洲の未来をつくっていく世代が、いま考えていることや想いを共有し、自分たちはどう生きるか、これからの珠洲をどうしていくかを一緒に考える会です。

テーマ「住まい」

意見交換を行うにあたり以下のプログラムを実施しました。

  1. 自分の状況を整理する
    支援制度をもとに、それぞれの状況を整理しました。
  2. ゲストセッション
    各会場、異なるゲストをお迎えしてお話を伺いました。
  3. 未来の家について意見交換
    住みたい未来の家を考え、みんなで共有しました。

珠洲、オンライン、金沢の3会場で開催した様子をご紹介していきます!

※概要はコチラのレポートをチェック
すず若者意見交換会報告(第1~3回)


11月10日(日)珠洲市開催
珠洲市役所にて開催し、10名が参加しました。
またゲストには高橋さんをお招きし、支援制度や今後のまちづくりについて伺いました。

ゲスト 高橋 知巳氏(兵庫県職員)
長期派遣職員として珠洲市環境建設課にて勤務。災害公営住宅などを担当。

自分の状況を整理する

住まいの再建パターン表を参考にして、自身の状況を整理するとともに、支援制度に関する質問や意見を共有しました。

  • Q.震災時は賃貸物件(大規模半壊)に住んでいた場合、大家が物件を解体したら入居者は「半壊解体=全壊」判定として支援金などもらえるのか。
    A.解体が完了したことを証明する「完了通知書」を大家さんから取得し、それを持参して支援金の申請をすれば「全壊」扱いとして支援金が支給される。罹災証明書は大規模半壊のまま。
  • 建築基準法改正(R7年)が予定されているため、適合するように自宅を修繕したい。
  • 一部損壊、準半壊の家は出費がかさむ。何とかしたい。

 

ゲストセッション
高橋さんを中心に、参加者の皆さんが日頃抱えている疑問や考えていることなどを話し合いました。一部を紹介します。

  • Q.家を建てるにあたり規制はあるか?
  • A.市としてはいまのところ、大きな規制をしない方針。(ここに建ててはダメなど)。地域ごとのまちづくり協議会で「新たなまちのかたち」を考えていただく際にもそのような話をしている。
  • 最近の「建築確認申請」を確認していると、大きい家に住んでいた人が小さな家を建てる計画をしているケースが見られる。
  • Q.巷では珠洲で新築すると150万円/坪かかると言われているがどう思う?
  • A.昨年度の石川県平均は74~75万円/坪だった。奥能登だと80万円/坪程度か。
  • Q.今回の震災に対する支援金などは今までと比べてどうか?(例:阪神淡路大震災など)
  • A.阪神淡路大震災の時は、これほど支援はなかった。手厚い方だと思う。
  • Q.土砂災害警戒区域に家があるが、本当は修繕して住みたくないという気持ちもある。安全な土地かどうか知りたい。
  • A.市役所の復旧復興本部のホームページに「国土地盤情報センター」のリンクが張ってあり、ここからボーリング調査データを見ることができる
  • 地盤によって、建て方も変わる。新築時の地盤調査には大体5~8万円程度かかる。市内ではすぐ対応できる業者が少ない。「のとさく」さんは対応できる。
  • 例えば、山を切り開いて平地にできないかな。珠洲市の食糧自給率を上げるべく農地を増やし、都市部から興味関心がある人を呼び込み、住まいを増やして、土砂災害など山のリスクを回避できて一石二鳥では。

高橋さんと意見交換をする参加者。

意見交換の中で出たキーワード

「未来の家」を共有
今回は事前にワークシートをお配りして、ご記入いただきました。それぞれが思い描く未来の家についてイメージしてもらいました。

未来の家ワークシート

Aさんは来年の夏ごろに住んでいた場所での再建をイメージ。
Bさんは8年後を見据えて、災害で死なない家を自分たちでセルフビルド。
Cさんは1~2年後にシェアハウスでの暮らしを想定。
Dさんは1年後にメイン+多地域で暮らし、複数人でDIY。
Eさんはいまお住まいの家をグレードアップ。
Fさんは20年後に販売できる家を目指して海の見える高台に友人とセルフビルドでシェルター付きの家を建てる。
Gさんは今と同じ場所で猫と暮らす。
Hさんは海が見える場所に高気密・高断熱の住宅をイメージ。
Iさんは中心街(飯田・野々江あたり)でガーデニングができる家に住みたい。

このように、未来の家についてイメージを共有するうちに、現状の課題や解決策になどの話題に移っていきました。以下の通りご紹介します。

  • 平屋モデルなど標準化モデルをつくり情報提供すればどうか。⇒石川県が住まいのモデルケースを発信する予定。
  • 商品としての「家」より、自分で建てたい(セルフビルド)。
  • セルフビルドチームを作ってはどうか。昔は隣近所の家をみんなで建てたりしていた。
  • 安心して住める家にしたい。
  • ハザードマップを参考にしたい。山や川の様子が変わっているのに、ハザードマップは変わらないのかな。
  • 市内で安全な場所はどこなのか。⇒実は国内ではどの災害からも安全という場所はそう多くない。津波、土砂災害、洪水などの災害と被害を想定して、どのように備えるかを考えないといけない。
  • いま、珠洲に住みたいといい、訪れる人がいる。その人たちに「住まいがない」とはねのけてしまっては、今後住んでくれないかもしれない。他に魅力的な地域はたくさんある。
  • 震災後、家族は市内と市外に分かれて暮らしている。やっぱり家が広くて、自然が見えて、庭と畑がある珠洲で暮らしたい。半農半Xのような暮らしがいい。
  • 土地のマッチング(土地を買いたい人と売りたい人の)があるとよい。
  • 半壊以上でも住める家がある。それなのに将来負債になるから、とか、今公費解体が使えるから、将来が見えないからといって壊す人がいる。そして悲しんでいる。本当は壊したくない人もいる。一方で父は壊したくないが、子は「誰が継ぐの」といい、解体するケースもある。
  • 半壊以上の家と住みたい人のマッチングができないか。例えば、解体リストと買いたい人リストを利用してなど。
  • みんなで家を所有する(分散所有)仕組みをつくれないか。都市部から地域に来たい人たちがいる。自然があって、畑があって、滞在できるような。
  • 家をシェアするようなことも考えられるのでは。例えば、一人暮らしのおばあちゃんの家に若者が住むなど。病院に行きたいときに人がいるのといないのとでは違う。
  • 0円譲渡をすすめたい。周りの70代以上の人たちには、「解体するなら0円で渡そよ。」と伝えているが、なかなか「うん」と言う人は出てこない。他の家は30万/月で貸してる、とか、今潰したら得とか、損得の話ばかりになる。

会の後半になるにつれて場があたたまり、参加者同士で活発な意見交換が行われました。これらのアイデアをカタチにすべく関心のある人たちが集まり、実現に向けて話し合いを継続する場を設けられればと思います。

未来の家の共有で出たキーワード

おわりに

「住まい」をテーマにすると、自身の住まいに関するプライベートな意見が多くなるのかなと想像していましたが、思いのほかパブリックな課題(まち全体が抱える課題)についての議論が行われたことが印象的でした。家を分散所有する、お年寄りと若者で家をシェアしよう、山を切り開こう、セルフビルドチームをつくろう、0円譲渡を流行らせよう、などのユニークな意見が実現する未来を想像すると楽しくなりました。

情報共有(事例など)
・珠洲市復旧・復興本部のホームページ
・国土地盤情報センターのホームページ


2種類の意見交換会を開催予定です。

  1. テーマ別意見交換会
    今後の珠洲をどうしていくかテーマを設定し議論する会。
  2. 個別ヒアリング
    個別にお困りごとや意見などを聞きに伺います。個人でも団体でも町内でもOKです。
    ご要望があればLINEまたはお電話(82-7726)にてご連絡ください。

本会での意見は共有・公開します。

  • 市関係部署との共有(例)テーマが教育関係の場合は、市教育委員会・福祉課と共有
  • 復興計画策定委員会で共有
  • ホームページでの開催報告(一般公開)

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