【紹介レポ】飯田高校ゆめかなプロジェクト発表会

珠洲について
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石川県立飯田高等学校 ゆめかなプロジェクト学習成果発表会開催

2023年2月24日「ゆめかなプロジェクト学習成果発表会」が開催されました。
探究を始めたばかりの1年生と2年生がテーマごとにチームとなり、午前の部では各教室で2回ずつ発表(全24チーム)。午後の部ではラポルトすず(珠洲市多目的ホール)にて5チームとゲスト1チームの計6チームが発表しました。

わたくし、森田(珠洲市地域おこし協力隊)が鑑賞してきましたので、ご紹介します!

ゆめかなプロジェクトとは!?
飯田高校では「総合的な探究の時間」を「ゆめかなプロジェクト」と名付けて活動しています。

学校が定める3つの目標
・ 日々の暮らしの中にさまざまな学びの要素があふれていることを、実践を通じて体感させる。
・ 私たちを取り囲むさまざまなモノやコト、ヒトについて多角的・多面的に考察させ、その成果を表現させる。
・ 学びに対する前向きなこころを持ち合わせた自律的な学習者を育成する。

生徒たちが設定したテーマに対して、先生方は最も身近な「伴走者」として日々活動しています。

全体を通して・・・
はじめにわたしが想像していたのは、SDGs17のゴールをそのまま題材としたテーマや、戦争のことなど、世の中全体の課題として挙がっているもの(世間体がよさそうな)をテーマにするのかな?と考えていましたが、なんともユニークなテーマが多くてびっくり。
興味を持ったコトや好きなモノ、これはなんでこうなっているんだろう?と気になったことなど、身近に感じるものをテーマに探究していました。

そうか、探究学習とはこういうことか!

自分が熱狂していることや身近な課題について、主体的に探究し学んでいくことの大切さを感じました。

わたし自身もそうでありたい。

それぞれの発表を鑑賞して(一部チームのみ)
何かを創りだそう!という気持ちをつよく感じました。さらには、「できる限り自分たちだけでやりきろう(自前主義)」という意志をもったチームが多くて感動しました。これは大人(プロ)に任せた方が・・・ではなく、自分たちができることは何だろう?限られた環境の中でどうしたら目的としているモノ(コト)に近づけるかな?と試行錯誤している姿がとても魅力的でした。

一生懸命考え、行動している人は魅力的に見える。そしてその熱量に人は感動するのだなと改めて気づかされました。

また、他校との交流を行ったチームがありとても良い体験だと感じました。他地域の人・もの・ことを知る経験が、地元を再発見する機会にもつながると思います。このような機会がより増えることを期待したいです。

これからは、自身の立場(地域おこし協力隊として)から、「ゆめかなプロジェクト」に対して何ができるかを考え、企画していきたいと思いました。鑑賞の機会をいただきありがとうございました。

今後もゆめかなプロジェクトに迫っていきますので乞うご期待ください。

鑑賞したチームの発表をご紹介

発表会の様子(午前の部)
今回、特別に許可をもらい、午前の部の発表会を鑑賞してきました。
同時刻に各チームが違う教室で発表するため、数チームしか鑑賞できなかったが、チームごとに個性があり、それぞれに感じることがあったので少しご紹介します。

(午前の部)教室での発表の様子

●奥能登アニメ班「奥能登の魅力をアニメーションを通して伝えるにはどうすればいいか?」
奥能登の魅力を伝えるためにアニメを制作するというのだから驚き。しかもすべて自前で制作したいという。絵は描きます、効果音は録りにいきます、ナレーションはオーディションしようかな?間に合うかな、など制作過程ごとに割り振りを決め、ぶち当たるであろう障壁まで想定されています。完成してほしい!ぜひみたい!と心が躍りました。

●怪談ツーリング班「怪談の要素を入れたツアーを珠洲でも出来るのか?」
題名を見て「何それ楽しそう」と鑑賞しましたが、その内容の真剣度合に感心しました。珠洲にも心霊スポットはあるかな?と探しているうちに、怪談や民話に興味が出て、文献を探し、読み始め、地域の方にお話を聞くようになり、実際にお寺の宝物庫に保管されている「いわくつきのモノ」を見学するなど広がっていったそうです。非常に興味をそそられました。発表方法にも相手を楽しませようという「しかけ」が多く、見ている側を退屈させない「気づかい」がとても素敵でした。

●可愛くなろう大作戦~JKブランド~「可愛くなろう大作戦!!~脱マスク編~」
自信をもってマスクを外すために、可愛くなって自分に自信をもとう!と探究しています。今までのマスク代を算出し問題提起した後、やりたいことをリストアップ。具体的には「学生証を盛る方法」と称し、だれでも・かんたんに・すぐできる方法(口角を上げる、レンズの少し上を見るなど)を提示していました。実に面白い!次の展開が楽しみで仕方ないです。

●珠洲にあるある探検隊「東京の人に珠洲のお店を紹介し、来てもらう!」
東京の人に珠洲のお店を紹介するため飲食店などを調査。
調査結果をSNS(インスタグラム、TikTok)で発信して多くの人に届けるにはどうしたらよいか?に注目し、SNS戦略を考え、試行錯誤していたのが素敵でした(フォローします)。今後も珠洲にあるお店を紹介してほしいし、そのお店の方が「どういう想いでお店をされているか」などの気持ちの部分など(普段お客さんとして行くときにそこまで分からない)が分かると見る側の心に響くのではないかなと感じました。

●手話班「手話をより多くの人に知ってもらうために」
ドラマや映画を見ていて「手話」に興味をもち、手話ってなんであまり多くの人が知らないのだろう?と疑問を抱いたそうです。その疑問をそのままにせず、身近な課題として探究するという気持ちがとても素敵で、大切にしてほしいなと感じました。手話をより多くの人に知ってもらうための方法をこれから考えていくみたいだったので、非常に楽しみです。

発表会の様子(午後の部)
ラポルトすずにて行われた発表会には一般の方も参加可能でしたので、多くの方が鑑賞されました。6チームのうち3チームをご紹介します。

(午後の部)ラポルトすずでの発表の様子

●Nature story of Noto 班「きれいな海でマリンスポーツをできる環境を維持するためには?」
マリンスポーツがしたい!と活動しているうちに、海のごみが気になるようになり「きれいな海」でマリンスポーツしたいと再定義。他校との交流学習を行っており、とても良い機会(友達ができる、他を知る、地元を再認識する、記憶に残る)だと感じました。今後、他のチームでも他校との交流が生まれ、学習に広がりができると面白い時間になるのではとわくわくしました。珠洲でマリンスポーツが体験でき、流行っていくことを願っています。

●花嫁・花婿修行班「女性も男性も、ともに協力しあえる世の中を実現するには?~ジェンダーバイアスをなくしたい~」
身近に感じた疑問、「あれ、なぜお母さんばっかりが家事をしているの?」「お父さんはどう思っているのだろうか?」を課題してとらえており、そこから視点を「社会全体」へ移して、ジェンダーバイアスをなくしたいと解決方法を模索していました。ジェンダーバイアスがある(であろう)「人」に対して注目し、意識と行動の両方からアプローチをするという観点がとても良かったです。そもそもジェンダーバイアスって何?なんであるんだろう?ということが個人的に気になり興味を持ちました(探究しないとですね)。

●ボードゲーム班「ボードゲームを通して珠洲市を盛り上げるには?」
題名をみて「あ、本当に興味があるテーマを選んだんだな」と感じました。老若男女だれでも遊べるのがボードゲームであると言い切り、自分たちだけで作りきることにこだわる姿勢がとても素晴らしかった。既存のゲーム(電車で全国の駅を回る某名作ゲーム)を模して自分たち用にアレンジしていき、ルールブックもまずは真似て改良していくという進め方が具体的でよかったです。またアナログかつ自作による破損リスクやデザイン性の低さなどの課題も明確にしていて、どのような作品になるのか完成が待ち遠しくなりました。

以上、紹介レポートでした。

運営・お問合せ
すず里山里海移住フロント
(事務局:珠洲市企画財政課)
TEL 0768-82-7726
E-mail iju@city.suzu.lg.jp