5月末のある早朝、アサギマダラのマーキング調査に同行しました。
アサギマダラは、日本列島を縦断し、時には海を越えて台湾まで1000~2000kmもの長距離を移動することから、“旅する蝶”と言われています。
能登半島はアサギマダラの中継地で、なかでも珠洲市の先端部はアサギマダラの一大飛来スポットと言われており、毎年5月中旬から6月中旬の早朝、海岸に自生するスナビキソウに集まる姿を多くみることができます。珠洲市では、アサギマダラが飛来できる環境を守るため、集落ごとに海岸清掃が行われる時期に「スナビキソウを刈らないでください」というお知らせが広報に掲載されます。
世界農業遺産「能登の里山里海」の生物多様性を保全する活動を行っているNPO法人能登半島おらっちゃの里山里海では、10年以上アサギマダラのマーキング調査を続けています。
調査当日は珠洲市の先端部にある狼煙漁港に朝6時に集合し、説明を受けたあと、各自タモ(網)をもって砂浜を散策。アサギマダラを捕まえたら、羽に日付・場所(スズノロシ)と捕まえた人の名前を書いてから、そっと自然に帰してあげます。
この日は狼煙漁港から車で5分ほどの川浦町の浜辺でも調査を行いました。今年は実施しませんでしたが、市内の三崎町寺家や高屋町で行うこともあるそうです。
アサギマダラのマーキング調査は全国で行われており、遠くは九州地方でマーキングされた個体が珠洲市で見つかることもあるそうです。逆に、珠洲市でマーキングされた個体が、遠くで見つかることも。ロマン溢れる話ですよね。
(BB)
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≫NPO法人 能登半島おらっちゃの里山里海