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2025/12/16

YADOKARIスタッフすず滞在記- はじめての珠洲市訪問で驚いたこと・感じたこと

こんにちは。YADOKARI橋口です。
私はサイトの制作・運営に関わっております。

2025年10月、YADOKARIチームがコンテスト企画を進めるため珠洲市を訪問し、私も参加させてもらいました。

姪っ子が同じ「すず」という名前のため、珠洲市に少々のご縁を感じていましたが、それ以外は私にとって初めての場所でした。能登半島、そして、被災地というフィールドです。
私が体験したことについて、”驚き”をテーマにまとめてみました。

珠洲市へのアクセス

まず驚いたのは近さです。飛行機を使えば羽田から能登空港までの飛行は約1時間で、陸路で調べたルートより断然手軽でした。能登空港でさくっとレンタカーをして、45分程度のドライブで珠洲市に到着。思っていたより、気軽に行ける場所だと感じました。

まちを巡る

珠洲市は令和6年に能登半島を襲った地震と豪雨で多大な被害を受けた場所。能登半島の状況はテレビ等で見ていましたが、実際に現地にきて、自分が大きな衝撃を受けないかと訪問前はドキドキしていました。

しかし、崩壊した建物の多くは撤去されすでに平地になっていたり、交通や商店など町の機能が一定のところまで復活している様子を見る分には、震災前の姿を知らないために、残念ながら被災に対する驚きや喪失感をあまり汲み取ることができませんでした。

蛸島町の通り。かつては通りに瓦葺の住宅が並ぶ古い街並みだったという。

仮設住宅

車で市内を移動していると、災害後まちが標準化されたように見える景色のなかで、たびたび仮設住宅が目に飛び込んできました。それらは学校の運動場や公園、バスロータリーなど、住宅地らしからぬところに建てられています。市外から来た支援者向け滞在施設としてのトレーラーハウスも見学しました。

そこでの人々の暮らしを考え始めると、私の心は穏やかではなくなってきました。
私はYADOKARIで国内外のタイニーハウスの事例を見てきましたが、レジャーまたはビジネス利用のケースが多く、被災で住宅を失った人や支援者用のタイニーハウスを目の当たりにするのは初めてだったのです。

道の駅狼煙の横に整備された仮設住宅。

支援者用の滞在施設として設置されたトレーラーハウス。

人々の輝き

このように、災害により暮らしが一変し、仮設住まいを含めかつての日常が戻らぬまま生活を続けておられるのかと考えると心が締め付けられる想いになりました。こんな時タイニーハウスはどうあるべきでしょうか。そのことを立ち返って考える機会になりました。

しかし、地元で活動する人たちにお会いすると、素敵な笑顔と、前向きな話をたくさんいただき、一人一人が前を向いていくことの大切さを感じました。
また、市外からの移住者でありながら地域の人から引き継いだ眺めの良い銭湯を経営している人や、豆腐の移動販売で忙しく働いている人もいて、新しいことに挑戦している姿に私もワクワクしました。

珠洲市の逆境を生かして、この地の人も、そうでない人も、新しい未来を描き実践してみる、そんなチャンスが本当に転がっているのかもしれない。ふと、なにか私もはじめられることがないかしら、と考えた自分に驚きました。

移住者が販売している、移動販売の豆腐屋。 パープーという豆腐屋のラッパ音を鳴らす車に人が集まり豆腐を買っていた。

移住者の方が地元の銭湯を継承。ボイラーでお湯を炊き続け、まちのひとにくつろぎの湯を提供し続けている。

 

やっぱり宿が少ない!

最後です。
私が泊まった施設は温泉宿でしたが、市外からの支援事業者が多く滞在しておられました。通常の部屋は埋まっていたため特別に部屋を用意いただき、泊まらせていただきました。お風呂は控えめに言っても最高のお湯だったのですが、そういうわけでお宿のなかは”観光”といった雰囲気がほとんどなく、想像と違っていたので驚きました。
宿の方にお話を聞いたところ、「観光でたくさんの人に来てもらいたいが宿泊するところが足りない。ボランティアの人も泊まれない場合がある。なにせ地域の人が住む場所も十分にないのだから、住居の状況がとても厳しい」とのことでした。

このボトルネックはなかなかにツラいと痛感しました。
旅行者しかり、ボランティア、移住、Uターン、二拠点居住など人が珠洲市にやってくるスタイルはいろいろ考えられますが、あわせて滞在場所も必要になります。このコンテストの開催意義がこの面からも深く理解できたのでした。

おためし滞在拠点。できたら私も使わせてもらいたいです!
これからもWebサイトを通してコンテストの経過を見守っていきたいと思っています。

 

外浦の美しい海を眺める

 

 

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